【出産後、初めての対面】

HSP主婦あおこんです。14年前、初めての妊娠で「死産」を体験しました。
その後凸凹一家ではあるものの、今は家族みんなで笑って暮らしています。

小さな小さな私の宝物は、この世に産まれた。産まれたばかりのその心臓は、すでに止まっていた。
先生に預け綺麗にしてもらってから、我が子との正式な対面。今までのテンションから一転して、涙が自然にあふれだしてしまう。
大仕事を終えた安心感と、やっと逢えたという安堵感。でも悲しくて悲しくて、嬉しくもあり「2人で頑張った」という思いだった。
本来なら嬉しいはずの誕生日。こんな悲しい対面になるとは、数日前には想像がつかなかった。
見た事のないくらい小さな我が子は、とてもきれいで可愛かった。
この世の中に、こんなに愛おしい存在があるなんて私は今まで知りませんでした。お母さんににしてくれて、ありがとうと改めて思った。
そしてこの子は、自らの命を削って私に何を伝えにきてくれたんだろう?
悲しみだけではない、たくさんの幸せな気持ちを教えてもらえたと思う。
「お疲れ様、2人とも頑張ったね…」夫は、一仕事終えた私達にそう声を掛けてくれた。
身体の負担をかけていると感じているぶん、寄りそう気持ちが痛いほど伝わる。
つらいのは私だけじゃない。出産の役目が、私だっただけ。
2人の子供には変わりないし、同じ痛みを感じられるのは、この人だけ。守れなくてゴメン、その腕に生きているこの子を抱かせてあげたかったよ。
栄養を届けてくれていた「胎盤」が少し出にくく、出産後にいきんで、胎盤を出すなんてことことさえ私は知らなかった。
痛みの中、肩に一本注射、更に点滴も引き続き。これからは、頑張った私の身体を労わり、また元の身体へと戻してあげることに集中しなければと思った。
この経験を、大事な人の死を絶対にムダにしたくない。

2時間くらい分娩室で休み、病室へ戻る。お部屋で一緒に過ごせるかと思ったけど、現実問題無理だった。
初めての離れ離れの時間だけど、淋しくないかな?私は淋しくてたまらないよ。
本当はそばにいてほしい。でも、大丈夫、きっと大丈夫。そう言い聞かせる。
私達の前に来てくれた時に、少し身体に傷がついているからと、全身は見せてくれなかった。だけど触れることはできた。
柔らかすぎる皮ふ、さわるとくっついてくるような、まだ完成されて間もない皮ふだった。
こんなに小さな身体でも、全身はしっかりできていて。まぶたがあり、口も手も指も耳も。夫にそっくりだと思った横顔、鼻、骨格、特に肩のラインとか。
愛しいまぎれもなく私たちの子供。大きめの指は長く、そこは私にも似ている気がした。耳が少し折れていたのは甥っ子にそっくり。
そして何より、可愛いポーズをとっていたのが印象的だった。